振り子 [本など]
洋物の小説を読んでいるとけっこうな確率で聖遺物やテンプル騎士団、異端審問などと遭遇します。
最近読んだ本でも出てきて、そういえばテンプル騎士団ってなんだっけ?と思ったので、久しぶりにコレを読み返しました。
いつの間にか文庫になっていますが、ご存じウンベルト・エーコの「フーコーの振り子」です。圧倒的な(しかも本当にあるのかどうかもよく分からない)資料をもとに書かれた作品で、ジャンルはよく分からないですね。
歴史をよむということは、資料の存在する事実と事実の間を想像と知識でつないでいく作業で、唯一の正解というものは存在しません。この本の中で主人公の三人はこの世の事象(歴史的な事柄も含めて)は全て隠喩であると考え、自分たちの望む方向から隠喩を解釈し歴史上の物事を理解することによって歴史(世界)を再構築します。その知的ゲームの先にあるものは…。というように私はこの本を理解しています。
複雑な構成(?)なので副読本も多数出版されていますが、分からない部分は適当に読み流していっても、いろいろと発見があって楽しいです。
そうそう、少なくともテンプル騎士団についてはみっちり詳しくなれますので、ご安心を?
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